指導の希望について

ここでは,本研究室への配属を検討して頂いている皆様(学生および社会人)向けの情報を提供します.大学院入試の受験を検討して頂いている方は,できるだけ 数理工学専攻説明会 に参加をお願いいたします.研究室見学,オンラインでの相談等にも対応しますので,加嶋にメールでお問い合わせください.

制御について

制御理論は,ダイナミクス,つまり時々刻々と変化する現象の数理モデリングをおこない,その性質を解析したり,所望の挙動を実現する機構を設計するための数学的方法論です.

  • 最適化を研究する分野との大きな違いは,対象のダイナミクス(特にフィードバック構造)に主眼を置いている点です.制御理論においても,最適化の理論・手法は不可欠です.
  • 微分方程式や確率過程を用いてダイナミクスを数理モデリングする他の分野との大きな違いは,解析(しらべる)だけでなく,設計(つくる)ことにも主眼をおいている点です.解析においては,多くの重複する概念があらわれます.
  • ロボティクスなどの分との大きな違いは,物理的に作ることよりも数学的な理解に主眼をおいている点です.主に共同研究という形で,様々な実世界の対象を扱います.
  • 機械学習(特に強化学習や時系列モデリング)を研究する分野との違いは曖昧ですが,モデルベースト手法をより重視している点,対象特有の性質やドメイン知識も積極的に取り入れる点,分野としての加熱感などが異なります.本研究室でも,一般的な機械学習の知識は身につきます.
  • 他の情報学科数理工学コース・情報学研究科数理工学専攻の研究室と比べて,産学連携の距離は近いです.

(他大学を含む)他の制御工学関連の研究室と比較した特色は,研究テーマ のページをご覧ください.

スケジュール

学部4回生であらたに本研究室に加入した場合,毎週のアクティビティはつぎの通りです.大学院生の場合も,数学ゼミが他のゼミ(制御工学とは直接的には関係ない分野のテーマが多い)に変わるだけです.

報告会
報告会

学生全員が1週間の差分を手短に(1人3分程度)報告した後に、学生のみでディスカッションする場です.教員との個別ディスカッションは報告会前のランチョンや報告会後が確実ですが、別途アポもとれます.

研究会
研究会

自分の研究や関連トピックの発表会で,全員参加です.毎週3名発表で2時間程度のことが多いです.報告会と同じ日に行い,その日は昼休み後から夕方まで勉強漬けとなります.

数学ゼミ
数学ゼミ

数理モデルを扱ううえで欠かせない線形代数の知識の習得と,論理的に考える訓練を目的として,週1コマ輪読をします.学部授業の内容が理解できていれば復習に,そうでなければリハビリになると思います.

研究活動
研究活動

テーマは自由ですし,希望すれば選択肢をいくつか提示されます.教員は真剣に指導しているので、「ゆるさ最優先」の人には向いていない研究室です(学生の表彰はこちら).

その他
その他

コアタイムはありません.また,研究テーマによらずプレゼンテーションやライティングの指導は重視しており,ほとんどの学生が卒業までに一度は学会での発表を経験します.

適性

やる気さえあれば,数学好き・応用好き・プログラミング好きのどのタイプでも対応できる研究分野です.逆に,数学が大嫌いな人,物理的な実験をメインに研究したい人には向いていません.また上で挙げたように分野横断的なアプローチなので,明確にやりたいことが決まっていない人にも向いていると思います.線形代数・微分積分学・現代制御理論は履修していることが望ましいですが,配属後に勉強し直しますので必須ではありません.

社会人博士の受け入れもおこなっています.課題の丸投げのような共同研究には対応できませんが,上記のようなスタンスで協同で課題設定していくことはできますので,教員までご相談下さい.

院試・就職・進学

修士課程の筆記試験対策に関しては,学生間で過去問やノウハウがあるようです.外部から受験する場合も,在籍している学生の話を聞いてみるのは有益だと思います.博士課程の場合は,必ず事前に教員と相談をして下さい.

情報学研究科のどの研究室でも,研究テーマによって就職先が限定されるということはないと思います.本研究室でも,メーカーやコンサルティングなど幅広い企業に就職しています.

もしも博士課程に少しでも興味がある場合は,相応のテーマ選びや指導を行いますので,早めに相談して下さい.